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【トーキング・ヘッズってどんなバンド?名曲は?】Talking Heads入門【おすすめ曲/ベストアルバム紹介】

トーキング・ヘッズTalking Heads)は、1974年にアメリカ・ニューヨークで結成され、1991年に解散したロックバンドです。彼らはニューヨーク・パンクシーンの代表的存在であり、独自の音楽性で多大な影響を与えました。その音楽は、当時のロックシーンにおける革新性と実験精神を象徴するもので、多くの後進アーティストにインスピレーションを与え続けています。彼らの作品は、時代を超えて今なお愛されるクラシックとして、多くのファンを魅了し続けています。例えば、アルバム『リメイン・イン・ライト』はその革新性により長く愛され続けており、ライブパフォーマンスも多くのファンに語り継がれています。

トーキング・ヘッズってどういう意味?

トーキング・ヘッズTalking Heads)」は、テレビのニュース番組などで画面に映る話し手、つまり「しゃべる頭部」を指す俗語です。バンド名としては、メディアや情報伝達に対する皮肉や批評的なニュアンスが込められていると解釈されています。例えば、ニュースキャスターが感情を排除して情報を伝える姿を「しゃべる頭部」と揶揄することから、個性の欠如やメディアの無機質さに対する批評が含まれていると考えられます。彼らの音楽には、情報社会やメディアのあり方に対する風刺が感じられ、知的なアプローチがバンド名に込められた意味を補完しています。

メンバー紹介

  • デヴィッド・バーンDavid Byrne:ボーカルとギターを担当。バンドの中心人物であり、独特の歌唱スタイルとパフォーマンスで知られています。デヴィッド・バーンのエネルギッシュでカリスマ的なステージングは、トーキング・ヘッズの象徴ともいえる存在感を放っています。特に、1984年のコンサート映画『ストップ・メイキング・センス(Stop Making Sense)』でのパフォーマンスは、そのダイナミックで予測不能な動きと観客を魅了する演技力が際立っており、多くのファンに強い印象を残しました。彼の鋭い歌詞と実験的なアプローチは、バンドの音楽に深みと知的な刺激を与えました。

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  • クリス・フランツ(Chris Frantz):ドラムスを担当。安定したリズムでバンドを支え、トーキング・ヘッズの躍動感あふれるグルーヴを生み出しました。クリス・フランツのドラムは、ファンクからパンクまで幅広いスタイルをカバーし、バンドのサウンドに不可欠な役割を果たしています。

  • ティナ・ウェイマス(Tina Weymouth):ベースを担当。クリス・フランツの妻であり、ファンキーなベースラインが特徴です。ティナ・ウェイマスのベースは、トーキング・ヘッズの音楽にリズムとメロディの双方を提供し、音楽に独特の躍動感を与えています。彼女のスタイルは、女性ベーシストとしても革新的で、多くのミュージシャンに影響を与えています。

  • ジェリー・ハリスン(Jerry Harrison):キーボードとギターを担当。1977年に加入し、サウンドの幅を広げました。彼の加入により、トーキング・ヘッズの音楽はより複雑で多彩なものとなり、キーボードとギターによる豊かな音の層を生み出しました。

トーキング・ヘッズの出身大学は?

トーキング・ヘッズのメンバーは、名門美術大学であるロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(RISD)の出身です。この大学での出会いが、後のバンド結成とその革新的な活動の基盤となりました。デヴィッド・バーン、クリス・フランツ、ティナ・ウェイマスが在学中に出会い、彼らの芸術的なバックグラウンドがトーキング・ヘッズの音楽やビジュアル面での独創性に大きく寄与しました。RISDは創造的な環境で知られており、この環境で培われた視覚的なセンスと芸術的なアプローチが、彼らの音楽とライブパフォーマンスに反映されています。「インテリバンド」とも称される彼らのスタイルは、この芸術的な教育と経験に根ざしており、その知的で実験的な音楽性の源泉となっています。

トム・トム・クラブについて

トム・トム・クラブ(Tom Tom Club)は、トーキング・ヘッズリズムセクションであるティナ・ウェイマス(ベース)とクリス・フランツ(ドラム)の夫妻が1981年に結成したニュー・ウェイヴ・ユニットです。彼らはヒップホップやレゲエの要素を取り入れた革新的なダンス・ポップを展開し、高い評価を受けています。トム・トム・クラブの音楽は、自由で遊び心にあふれ、トーキング・ヘッズとは異なる魅力を持っています。例えば、「悪魔のラヴ・ソング(Genius of Love)」は、その軽快なビートとユーモラスな歌詞で、トーキング・ヘッズのより知的でシリアスな音楽性とは一線を画しています。

デビューアルバム『おしゃべり魔女』(原題:Tom Tom Club)には、「おしゃべり魔女(Wordy Rappinghood)」や「悪魔のラヴ・ソング(Genius of Love)」などのヒット曲が収録されています。特に「Genius of Love」は、マライア・キャリーの「Fantasy」をはじめ、多くのアーティストにサンプリングされ、ポップミュージックにおける影響力を持ち続けています。この曲は、楽しいリズムとキャッチーなメロディが特徴で、ダンスミュージックシーンにおいてもクラシックとなっています。

トム・トム・クラブは、トーキング・ヘッズの活動休止後も音楽制作を続け、断続的に作品を発表しています。彼らの音楽は、ファンク、ラテン、ディスコ、エレクトロなど多彩な要素を融合させた独自のサウンドで知られています。彼らの音楽の中には、リラックスした雰囲気とダンスへの誘いが込められており、そのスタイルは長年にわたって支持されています。

トム・トム・クラブの代表的なアルバムとして、デビュー作『おしゃべり魔女』のほか、1983年の『フォクシー・ワールド(Close to the Bone)』や、2012年の『ダウンタウンロッカーズ(Downtown Rockers)』などがあります。これらのアルバムには、カラフルでエネルギッシュな音楽が詰まっており、彼らの多様な音楽的背景を反映しています。

彼らの音楽は、トーキング・ヘッズとは異なる魅力を持ち、ダンスミュージックやポップスのファンからも支持されています。トム・トム・クラブの作品を通じて、ティナ・ウェイマスとクリス・フランツの多才な音楽性をぜひ体験してみてください。

トーキング・ヘッズの凄さは?

トーキング・ヘッズは、パンクロックを基盤にしながらも、ファンク、アフロビート、ニュー・ウェイヴなど多様な音楽要素を融合させ、独自のサウンドを創り上げました。特に、ブライアン・イーノをプロデューサーに迎えたアルバム『リメイン・イン・ライト』では、ポリリズムやアフリカ音楽の影響を大胆に取り入れ、革新的な作品として高く評価されています。イーノはスタジオでの録音プロセスにおいて、複数の楽器やリズムパターンを重ね合わせる技法を駆使し、楽曲に深みと複雑さを加えました。また、デヴィッド・バーンとともに即興的なアイデアを取り入れ、従来のポップ音楽の枠を超えた新たな音楽表現を生み出しました。このアルバムは、音楽の境界を越えた実験的なアプローチが特徴で、特にライブパフォーマンスではその複雑なリズムと多層的な音響が見事に再現されています。

トーキング・ヘッズの音楽は、ただのパンクロックにとどまらず、多様なジャンルを巧みに取り入れたことで、音楽シーンに新たな風を吹き込みました。彼らはパフォーマンスアート的な要素も取り入れ、視覚的な面でもリスナーを魅了しました。デヴィッド・バーンの独特のダンスとステージングは、その象徴的な例です。彼らの音楽とビジュアルは、単なるエンターテイメントではなく、深いメッセージと社会的な批評を持っていました。

トーキング・ヘッズの名曲は?その理由は?

  • 「サイコ・キラー(Psycho Killer)」:デビューアルバム『サイコ・キラー'77』に収録。緊張感のあるメロディとフランス語を交えた歌詞が特徴で、バンド初期の代表曲です。この曲は、バーンの不穏な歌声とシンプルながらも力強いリズムが印象的で、リスナーに強いインパクトを与えます。

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  • 「ワンス・イン・ア・ライフタイム(Once in a Lifetime)」:アルバム『リメイン・イン・ライト』に収録。独特のリズムと哲学的な歌詞が融合し、トーキング・ヘッズの革新性を象徴する一曲です。この曲は、日常生活の不条理や人間の存在についての深い考察を歌詞に込めており、聴く者に深い印象を残します。

  • 「バーニング・ダウン・ザ・ハウス(Burning Down the House)」:アルバム『スピーキング・イン・タングズ』に収録。エネルギッシュなサウンドで、バンド唯一の全米トップ10ヒットとなりました。この曲は、ダイナミックなビートとキャッチーなフレーズが特徴で、ライブでも大きな盛り上がりを見せる曲として人気があります。

最初に聴くのにおすすめの曲

トーキング・ヘッズの入門としておすすめなのは「ワンス・イン・ア・ライフタイム」です。この曲は彼らの革新的なサウンドと深い歌詞を兼ね備えており、バンドの魅力を存分に感じられます。この曲を聴くことで、トーキング・ヘッズの音楽が持つリズムの複雑さと知的な深み、そしてその背後にある社会的なメッセージを垣間見ることができます。


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トーキング・ヘッズのベストアルバムは?アルバムランキング

トーキング・ヘッズのスタジオアルバムはどれも高い評価を受けていますが、特に以下の作品が名盤とされています:

また、バンドの代表曲を網羅したベストアルバムとしては、1992年にリリースされた**『サンド・イン・ザ・ワセリン(Sand in the Vaseline: Popular Favorites)』**があります。このアルバムは、トーキング・ヘッズの主要な楽曲を幅広く収録しており、初心者にもおすすめです。バンドの幅広い音楽スタイルを体験できるため、彼らの全体像を知るのに最適な作品となっています。

まとめ

トーキング・ヘッズは、その知的で多彩な音楽性により、ロック史において特別な地位を築いています。彼らの作品を通じて、その独創的な世界観をぜひ体験してみてください。彼らの音楽は、単なる聴覚的な楽しみを超え、リスナーに深い洞察と新たな視点を提供します。トーキング・ヘッズの音楽を通じて、音楽が持つ力とその可能性を再発見することができるでしょう。