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【ネタバレあり/映画レビュー】ベネシアフレニア / Veneciafrenia「観光地ベネチアで繰り広げられる恐怖のサバイバルスリラー」

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映画名

ベネシアフレニア / Veneciafrenia


www.youtube.com

ジャンル、公開日、制作国、上映時間

興行収入

『ベネシアフレニア』は主にヨーロッパやホラー映画ファンの間で注目を集め、シッチェス・カタロニア国際映画祭で上映されたことからも、アート系シネマや映画祭で話題となりましたが、世界的な興行収入データは限られています。

あらすじ

映画の舞台は、観光名所であるイタリアのベネチア。スペインから旅行に来た若者たちが、この美しい街を訪れ、自由気ままに観光を楽しむつもりでいました。しかし、彼らは次第に、地元民からの敵意を感じるようになります。ベネチアの観光業に不満を抱える地元民たちは「観光恐怖症」(tourism-phobia)に陥り、彼らを排除しようとします。

やがて、若者たちは地元民による狂気的な追跡を受け、命を懸けたサバイバルが始まります。地元の伝統や文化を象徴するカーニバルのマスクが象徴的に登場し、観光客と地元住民の間にある見えない壁や対立を表現しつつ、彼らに逃げ場のない恐怖を与えます。生き残るため、若者たちは反撃を試みますが、ベネチアの狭い路地や運河が、彼らに次々と絶望をもたらします​。

監督

  • アレックス・デ・ラ・イグレシア(Álex de la Iglesia)
    • スペインのホラー映画界で高い評価を得るイグレシア監督は、『El día de la bestia(ビーストの日)』などで知られ、社会風刺やスリラー要素を得意としています。本作でも、観光地が抱える社会問題に独特の視点を加え、スリラーとして描きました。

キャスト

  • イングリッド・ガルシア・ジョンソン: 主人公のスペイン人観光客
  • シルビア・アロンソ: 若者グループの一員
  • ゴイゼ・ブランコ: 別の観光客
  • コジモ・フスコ: 謎の地元民
  • エンリコ・ロ・ヴェルソ: 地元の過激派リーダー

ネタバレ

若者たちは、ベネチアの観光地を巡る中で次第に不穏な状況に巻き込まれていきます。街の中で怪しい人物たちに監視され、つけ回されていることに気づき始めるも、最初は気のせいだと軽く考えます。しかし、夜になるとグループのメンバーが次々と行方不明になり、襲撃を受けるなどの恐ろしい事件が頻発します。現地の人々が彼らを追い詰める理由が徐々に明かされ、観光客が街の景観や文化を侵害していることが、排他主義を抱く住民の怒りに火をつけているとわかります​。

クライマックス

映画のクライマックスでは、残ったメンバーが必死に逃げるシーンが展開されます。ベネチアの狭い路地や運河が逃走の障害となり、地元民たちはカーニバルの仮面をかぶり、彼らを恐怖で追い詰めます。仮面をかぶった地元民の姿は、観光の裏に潜む怒りや不満の象徴として描かれ、観光客たちに対する苛烈な復讐が行われます。

最終的に、主人公たちは脱出を試みますが、地元民による容赦ない攻撃に次々と倒れていきます。最後に残ったメンバーも、逃げ場のないベネチアの狭い路地で追い詰められ、映画は観光業の歪みと地元民の怒りが招いた悲劇として幕を閉じます​。

結末

観光客たちが街を壊す存在として扱われ、彼らの行動が地元民の怒りをさらに増幅させていく様子が強調されます。映画のラストでは、観光客たちが全員犠牲となり、地元住民が「観光客にとっての地獄」を作り上げたことが暗示されます。

トリビア/雑学

  • 「Fear Collection」シリーズ: 『ベネシアフレニア』は、ホラー映画制作プロジェクト「Fear Collection」の第1作として制作されました。このシリーズは、ホラー映画のベテラン監督たちが手掛ける作品群であり、異なるテーマの恐怖を描くことが目標とされています。
  • カーニバルの仮面: 映画のシンボルとして、ベネチアのカーニバルで用いられる仮面が登場し、観光地の華やかさとその裏に潜む不気味さを対比させています。

劇中音楽

音楽は、スペインの作曲家ロケ・バニョスが手がけ、観客に緊張感を与えるサウンドトラックが特徴です。特に、カーニバルの伝統とホラーが融合するシーンで、音楽が物語の不安感をさらに引き立てます。

レビュー

『ベネシアフレニア』はそのビジュアルと社会的テーマで注目を集め、ホラー映画ファンから一定の評価を得ています。

  • Rotten Tomatoesでは、映像やテーマ性が評価され、「観光地の恐怖を鮮烈に描いた」と称賛されていますが、ストーリー展開に関しては「やや単調」との批評もあります。
  • Filmaffinityでは、「社会風刺とホラーの融合が斬新で、観光地の裏側をえぐるスリリングな内容」とのコメントが寄せられました。

総評

ベネシアフレニア』は、観光地であるベネチアを舞台に、観光客と地元民の対立をスリラーとして描き、観客に新たな恐怖をもたらしました。観光業の暗部に社会的な問題提起を加え、エンターテインメントとメッセージ性が融合した作品として、多くのホラー映画ファンにおすすめできる一作です。