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【ネタバレあり/映画レビュー】アイズ・オン・ユー / Woman of the Hour「犯罪ゲームの裏側で暴かれる連続殺人犯の恐怖」

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映画名

アイズ・オン・ユー / Woman of the Hour

ジャンル、公開日、制作国、上映時間


www.youtube.com

興行収入

Netflix配信作品のため、劇場興行収入はありませんが、トロント国際映画祭でプレミア上映され、Netflixが配信権を1,100万ドルで購入しました​。

あらすじ

Woman of the Hour』は、実際に1970年代に起きた恐ろしい事件を描いた実話を基にした映画です。物語は、1978年に放送された人気デーティング番組「The Dating Game」に登場したロドニー・アルカラという連続殺人犯を中心に展開します。アルカラは、番組に「バチェラー」として出演し、何も知らない女性出場者シェリル・ブラッドショウ(アンナ・ケンドリック)が彼をデート相手として選んでしまいます。しかし、アルカラはその時点ですでに複数の女性を殺害しており、番組出演が彼の犯罪を隠すための行動であったことが後に明らかになります​。

物語は、この番組に出場するシェリルの視点を通して、彼女が知らずに選んだ相手が実は連続殺人犯であるという不気味な状況を描きつつ、社会全体がいかにして彼の犯罪を見逃してきたかを問いかけます。また、アルカラが冷酷な計画を進めながらも、見せかけの魅力で他人を操る姿が描かれ、観客に不安感を与えます。

監督

  • アンナ・ケンドリック(Anna Kendrick)
    • 本作はケンドリックの監督デビュー作です。彼女は主演も務め、シェリル・ブラッドショウ役を演じています。ケンドリックは、自分自身がこのプロジェクトを深く共感できるものとして捉え、監督業にも挑戦することを決意したと述べていま。

キャスト

  • アンナ・ケンドリック: シェリル・ブラッドショウ(「The Dating Game」に出演した女性)
  • ダニエル・ゾヴァット: ロドニー・アルカラ(連続殺人犯)
  • トニー・ヘイル: エド・バーク(司会者)
  • ニコレット・ロビンソン: ローラ​

ネタバレ

Woman of the Hour』は、1978年の実際の事件をベースにした犯罪スリラーで、連続殺人犯ロドニー・アルカラ(演:ダニエル・ゾヴァット)と、彼が「The Dating Game」というデーティング番組に出演したときの出来事を描いています。アルカラは当時、複数の殺人を犯していましたが、誰もそれに気づくことなく、番組に出演し、女性シェリル・ブラッドショウ(演:アンナ・ケンドリック)とのデート相手として選ばれます。

物語の展開

映画の序盤では、シェリルが「The Dating Game」に出場する様子が描かれます。彼女はテレビ出演に不安を抱きながらも、プロデューサーや司会者の勧めで番組に参加します。彼女が対面せずに質問を投げかけ、3人のバチェラーから一人を選ぶという番組のフォーマットで進行する中、観客もアルカラが既に何人もの女性を殺害しているという恐ろしい事実を知っていますが、シェリルや他の出演者たちはその危険に全く気づいていません。

ロドニー・アルカラは、その魅力とカリスマ性でシェリルに印象を与え、最終的に彼女に選ばれます。しかし、彼の異常な言動や不気味な態度に、シェリルは次第に違和感を感じるようになります。

中盤

デートを前にして、シェリルはアルカラと接触する中で、彼の態度にますます不安を抱くようになります。アルカラは彼女に対して異様な執着を示し、彼の言葉や行動に隠された暴力性が次第に表れてきます。彼女はデートの予定を拒否し、彼との関係を切ろうとします。この判断が彼女の命を救う結果となります。

クライマックス

物語のクライマックスでは、ロドニー・アルカラの逮捕と彼の犯罪が明るみに出る瞬間が描かれます。シェリルがデートを拒否したことで彼女は危険を免れますが、彼の他の犠牲者たちはそうではありません。彼が捕まるまでの間、いくつもの殺人が行われており、その残虐さが衝撃的な形で明らかになります。

結末

シェリルは最終的に、自らが被害者にならずに済んだことに安堵しながらも、他の被害者たちの運命に心を痛めます。

トリビア/雑学

  • 実話に基づく物語: 映画は実際の「The Dating Game」に出場した連続殺人犯ロドニー・アルカラの事件を基にしています。彼は1970年代に複数の女性を殺害し、テレビ出演中も犯行を続けていました​。
  • アンナ・ケンドリックの監督デビュー: ケンドリックはこのプロジェクトに強く共感し、最終的に自ら監督業を引き受けました。彼女はこの作品を通じて、女性が暴力や社会的な圧力に対してどのように立ち向かうかを描きたかったと語っています​。

劇中歌

映画内には1970年代のポップミュージックが使用され、時代の雰囲気を感じさせる要素がふんだんに取り入れられています。また、緊張感を高めるための不穏なサウンドトラックも使用されており、シーンの雰囲気を引き立てています。

レビュー

『Woman of the Hour』は、批評家から概ね好意的な評価を受けています。

  • Rotten Tomatoesでは91%の評価を得ており、特にアンナ・ケンドリックの演出と、物語が持つ社会的メッセージが高く評価されています。批評家たちは、「システム的なミソジニー女性差別)と暴力の交差点を鋭く描いた」と述べています。
  • Metacriticでは74点を獲得し、概ね好意的な評価を得ています。多くの批評家は、ケンドリックの監督デビュー作としての完成度の高さに注目しています。

総評

Woman of the Hour』は、実話を基にしたスリリングな犯罪ドラマであり、1970年代の現実世界の出来事を題材にしながら、現代における女性への暴力や社会の無視についての深いメッセージを含んでいます。アンナ・ケンドリックの見事な演技と監督としての手腕が光り、観客に強いインパクトを残す映画です。