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映画「セッション / Whiplash」どんな映画?どんなお話?【映画レビュー/ネタバレあり】

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映画『セッション』は、2014年に公開されたドラマ映画で、音楽の才能と情熱に翻弄される若者と、彼を指導する厳格な教師との衝突を描いた作品です。原題は『Whiplash』で、監督を務めたのは新鋭デイミアン・チャゼル。音楽の世界で高みを目指す若者の葛藤と緊迫感あふれる師弟関係が描かれ、アカデミー賞サンダンス映画祭などで高く評価されました。主演のマイルズ・テラーと、鬼教官を演じたJ・K・シモンズの圧倒的な演技が印象的です。


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映画名

セッション / Whiplash

 

『セッション』は、ジャズドラムに打ち込む若きドラマーと、容赦ない指導で知られる鬼教師が繰り広げるスリリングな音楽映画です。「成功するには限界を超える覚悟が必要」という教師フレッチャーの激しい指導のもと、学生アンドリューが自らの才能を追い求める姿は、音楽映画でありながらサスペンスやスリラー映画さながらの緊張感を感じさせます。夢を追うことの苦しさと、それを乗り越える情熱の強さに心を打たれる作品です。


この映画があなたに伝えること

『セッション』が伝えるのは、「成功のために何を犠牲にできるか」という厳しい問いです。才能を開花させるためには、自分の限界を超え、時に自分を捨てる覚悟が必要であることが描かれています。この映画は、努力の先にある達成感と、それに伴う犠牲について考えさせられる作品です。ストイックに目標を追い求めることの美しさと危うさが共存する姿を、視聴者に突きつけます。


この映画をみたらあなたはどうなるか

『セッション』を観終えた後、夢を追うことの意味や、努力に対する自分の姿勢について考えさせられるかもしれません。厳しい指導や圧倒的なプレッシャーに打ち勝つことの難しさを実感し、目標を達成するための情熱を再確認できるでしょう。また、映画を通じて、自分の限界に挑戦することへの恐れと、成し遂げることへの覚悟を感じるきっかけにもなります。


ジャンル、公開日、制作国、上映時間

  • ジャンル:ドラマ、音楽、サスペンス
  • 公開日:2014年10月10日(米国)
  • 制作国:アメリ
  • 上映時間:107分

興行収入

『セッション』は公開後、全世界で約5,000万ドルの興行収入を記録し、インディペンデント映画としては驚異的な成功を収めました。映画祭での評価も高く、アカデミー賞ゴールデングローブ賞などで複数の賞を獲得しています。


視聴可能な配信サービス(調査日:2024年11月5日)


あらすじ

物語は、名門音楽学校に通う19歳のアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)が、圧倒的な指導力と恐ろしいまでの厳格さで知られる教師、テレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)の目に留まるところから始まります。アンドリューは夢であるトップジャズドラマーになるため、フレッチャーの指導を受けることを決意します。しかし、フレッチャーの指導は過酷を極め、アンドリューに対する罵倒や侮辱が絶えません。それでもアンドリューは、自らの限界を超えるべく必死にドラム練習に打ち込み、自己犠牲を厭わず努力を重ねていきます。

彼の必死の努力にもかかわらず、フレッチャーの厳しい指導とプレッシャーに押し潰されるアンドリュー。しかし、最終的には彼自身が持つ才能と意志が試されるラストシーンで、アンドリューは観客を魅了するパフォーマンスを披露し、フレッチャーとの「究極のセッション」が繰り広げられます。


監督

デイミアン・チャゼル
本作の監督デイミアン・チャゼルは、熱意と情熱が際立つ若手監督として評価されています。音楽への愛情と情熱が本作には色濃く反映されており、『ラ・ラ・ランド』など、後に音楽映画で再び成功を収めました。チャゼル監督の映像美と緻密な演出力は、『セッション』でも際立っています。


登場人物

  • アンドリュー・ニーマン(演:マイルズ・テラー
    若きジャズドラマーで、名門音楽学校に通いながらプロのジャズドラマーを目指しています。努力家で、自分の限界を越えて技術を磨こうとするが、フレッチャーの過酷な指導に次第に心身ともに追い詰められていきます。

  • テレンス・フレッチャ(演:J・K・シモンズ
    アンドリューが通う音楽学校で最も厳格な指導者で、恐ろしいほどの完璧主義者。才能を引き出すためには手段を選ばず、罵倒や侮辱、心理的な圧力をかけてアンドリューを極限まで追い詰めます。シモンズはこの役でアカデミー賞助演男優賞を受賞しました。

  • ニコール(演:メリッサ・ブノワ)
    アンドリューの恋人で、彼が支えを求める存在。しかし、夢に全てを捧げるアンドリューに次第に疎遠にされてしまいます。夢を優先することで彼女を失うことが、アンドリューの葛藤の一部となります。

  • ジム・ニーマン(演:ポール・ライザー
    アンドリューの父親で、息子を温かく見守る優しい性格。息子の過酷な状況に気づきつつも、アンドリューの夢を応援し続けますが、フレッチャーとの関係が息子にどれだけの影響を与えているかについて心配しています。


詳細なネタバレ

アンドリューは、鬼教官フレッチャーの指導のもと、トップドラマーになる夢を追いますが、フレッチャーの過酷な指導は精神的にも肉体的にも限界を迎えさせるものでした。ある日、フレッチャーがアンドリューを激しく罵倒し、彼を追い込む中で、アンドリューは最終的にバンドを辞めざるを得なくなります。しかし、それでも夢を諦めきれないアンドリューは、再び彼のもとで演奏することを決意します。

そして迎えたラストシーン。フレッチャーがアンドリューに、事前の曲とは異なる難易度の高い曲を演奏させようとするが、アンドリューはそれに抗い、自らのドラムソロを披露。フレッチャーとの「究極のセッション」が実現し、二人の緊迫感あふれる演奏は観客を圧倒します。フレッチャーの指導の真の意図と、アンドリューの才能が重なり合い、映画は強烈なインパクトを残して幕を閉じます。


トリビア/雑学

  • J・K・シモンズが演じたフレッチャーの罵倒シーンはほとんど即興で行われており、そのリアリティがキャラクターの印象を一層強めました。
  • 映画のタイトル『Whiplash』は、劇中で重要な楽曲であるだけでなく、アンドリューが経験する「心のムチ打ち状態」をも暗示しています。
  • マイルズ・テラーは撮影のために実際にドラムのトレーニングを受け、演奏シーンのほとんどを自らこなしました。

劇中歌


レビュー

『セッション』は多くの観客や批評家から高い評価を受け、「音楽映画の枠を超えた心理スリラー」として称賛されました。ロッテントマトやIMDbでも高評価を獲得しており、特にJ・K・シモンズの演技について「圧巻の狂気」「恐ろしいほどの説得力」との声が寄せられました。SNSでも「音楽映画でここまで息をのむ緊張感を感じたのは初めて」「夢を追うことの厳しさに共感した」といったコメントが多く見られます。


考察

映画『セッション』は、夢を追い求めることの喜びと、成功のために払う代償の重さを描いています。アンドリューは成功を目指すために自らの身体と精神を犠牲にし、フレッチャーはその極端な指導法で才能を引き出そうとしますが、その過程には狂気が含まれています。この作品は、視聴者に「成功のためにどこまで自己を犠牲にできるのか」という問いを投げかけ、同時に目標を追い求めることの厳しさと美しさを再認識させます。