私は大学4年生の頃、同じサークルに所属するS君に密かに想いを寄せていた。彼は明るくて頼りがいがあり、サークルの中心的な存在だった。一方で、私は控えめな性格で、裏方の仕事をこなすことが多かった。
出会いと交流
サークルの新歓イベントで初めて話したとき、彼が「Aさんって音楽好き?」と尋ねてきた。私が「はい、特にポップスが好きです」と答えると、「僕も!今度一緒にライブに行かない?」と誘ってくれた。それがきっかけで、私たちは音楽の話題で盛り上がるようになった。
距離が縮まる日々
週末になると、彼と一緒に音楽ショップを巡ったり、カフェで新しい曲を聴いたりするようになった。特にブルーノ・マーズの「Just the Way You Are」が二人のお気に入りだった。彼は「この曲を聴くと元気が出るよね」と言い、私も同意した。
特別な夜
ある日、サークルのメンバーでカラオケに行くことになった。皆が盛り上がる中、彼がマイクを手に取り「次の曲は特別な人に贈ります」と言った。そして「Just the Way You Are」を歌い始めた。彼の視線が何度も私に向けられていることに気づき、胸が高鳴った。
告白の瞬間
カラオケが終わり、帰り道で彼が「少し話せるかな?」と声をかけてきた。公園のベンチに座ると、彼は真剣な表情で「実は前からAさんのことが気になっていたんだ」と告白してくれた。「今日の曲もAさんに向けて歌ったんだ。君はそのままで本当に素敵だから」と続けた。
驚きと嬉しさで言葉が出なかったが、やっとの思いで「私もS君のことが好きです」と伝えた。彼は安心したように微笑み、「これからも一緒に音楽を楽しもう」と言ってくれた。
新たな日々
それから私たちは恋人同士となり、毎日が新鮮で楽しかった。大学最後の年を共に過ごし、卒業後もお互いの夢を応援し合う関係が続いた。
未来への一歩
社会人になってからも忙しい日々の中で、彼との時間を大切にしていた。記念日には必ず「Just the Way You Are」を聴きながら過ごし、お互いの存在に感謝した。
後記
自分に自信が持てなかった私にとって、彼の「君はそのままで素敵だ」という言葉は何よりも励みになった。誰かに自分の存在を肯定してもらえることが、これほど心強いとは思わなかった。
同じような経験をしている人がいるなら、自分らしさを大切にしてほしい。そして、きっとそれを理解してくれる人が現れると信じてほしい。