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【和訳文法】Bob Dylan-Blowin' in the Wind

Bob Dylanの曲「Blowin' in the Wind」は、1963年に発表されたフォークソングです。人間の自由や平和を求める歌詞は、ベトナム戦争公民権運動などの社会的な問題に対する抗議歌として広く歌われました。この曲は、ロックの殿堂やグラミー賞などで高く評価されています。



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曲の解説 

 ボブ・ディランは、20世紀後半の音楽界に多大な影響を与えたシンガーソングライターであり、2016年にはノーベル文学賞を受賞したことでも知られています。彼の代表曲のひとつが「Blowin' in the Wind」です。この曲は、1963年に発表されたセカンド・アルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』に収録され、シングルカットもされました。この曲は、当時のアメリカ社会における人種差別や戦争などの問題に対して、抗議や疑問を投げかける内容であり、公民権運動や反戦運動の賛歌として広く歌われました。また、ピーター・ポール&マリーなどのフォークグループやスティーヴィー・ワンダーなどのソウルシンガーによってカバーされ、世界的なヒットとなりました。この曲は、ローリング・ストーン誌が選んだオールタイム・グレイテスト・ソング500で14位にランクされるなど、高い評価を受けています。

 まず、この曲の歌詞は、1962年4月にニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジで友人たちと公民権運動について討論した後に、ディランが数分で書き上げたと言われています。ディランは、「10分で書いた。古い霊歌に言葉を当てはめたんだ。多分カーター・ファミリーのレコードか何かで覚えたものだと思う。これがフォーク・ミュージックのいつものやり方だ。すでに与えられているものを使うんだ」と述べています。ディランはこの曲を「プロテストソングとかじゃなくて…ただ誰かの為だと言って話していることについて、言いたいことを曲にしただけです」と説明しています。

 この曲は当初2番までしかなかったようですが、後に3番目のパートを追加しました。また、2番目と3番目のパートを入れ替えることも考えたようですが、最終的には元の順番で決めました。

 この曲を初めて聴いた人々は驚嘆しました。友人でフォークシンガーのギル・ターナーは、「すごい。こんな歌を聞いたのは生まれて初めてだ!最高にすばらしい歌だ!」と言って、その場でコードを教えてもらってステージで歌ったそうです。また、同じく友人でフォークシンガーのピート・シーガーは、「ああいう歌詞を書くことができるなんて、彼は天才だ」と感嘆したと言われています。

 この曲は、1962年7月9日にニューヨークのコロムビア・レコーディング・スタジオで録音されました。プロデューサーはジョン・ハモンドで、ディランのデビューアルバム『ボブ・ディラン』も手がけた人物です。この曲は、アルバムのオープニングナンバーとして選ばれました。ディランは、この曲を歌うときには必ずハーモニカを吹きました。彼はハーモニカを吹くことで、歌詞のメッセージをより強調できると考えていたからです。

 この曲は、1963年5月23日にアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』として発売されました。しかし、シングルカットされるまでには時間がかかりました。なぜなら、コロムビアレコードの社長であるゴドダード・リーボフスキーが、この曲を「歌えない」と判断したからです。しかし、ディランのマネージャーであるアルバートグロスマンが強く押し切り、1963年8月13日にシングルとしてリリースされました。B面は「くよくよするなよ」という曲でした。

 この曲は、シングルとしては大きなヒットにはなりませんでしたが、他のアーティストによってカバーされることで広く知られるようになりました。特に有名なのは、ピーター・ポール&マリーのバージョンです。彼らは、1963年6月に発売されたアルバム『In the Wind』にこの曲を収録しました。彼らのバージョンは、美しいハーモニーと穏やかなアレンジが特徴でした。彼らのバージョンは、1963年8月17日にシングルカットされ、ビルボードチャートで2位まで上昇しました。また、グラミー賞の最優秀フォークレコーディング賞を受賞しました。

 ピーター・ポール&マリーのヒットによって、ディランの名前も広く知られるようになりました。ディランは、彼らの成功に対して感謝の意を表明しました。しかし、同時に彼は自分の音楽性を変えることも決意しました。彼は、「風に吹かれて」が「自分の歌ではなくなった」と感じたからです。彼は、「風に吹かれて」以降も多くのプロテストソングを作りましたが、やがてロックや電気楽器に傾倒するようになりました。これは、フォークファンから激しい批判を受けることにもなりました。

 

文法の解説

How many roads must a man walk down
Before you call him a man?
How many seas must a white dove sail
Before she sleeps in the sand?
Yes, and how many times must the cannonballs fly
Before they're forever banned?

単語:

roads: 道
man: 男性
seas: 海
white dove: 白い鳩
sand: 砂
times: 回数
cannonballs: 大砲の球
banned: 禁止される

文法:

疑問文: この歌詞は「How many...must」で始まる疑問文を使用して、特定の行為がいつ完了あるいは認められるのかを尋ねています。疑問詞「How many」は数量を尋ね、モーダル動詞「must」は必要性を表しています。
一般的な未来形: 「Before they're forever banned?」のように、「will」を用いずに未来の出来事を示しています。ここでは、「before」を使った時制の構造で未来を表現しています。

和訳:
どれだけの道を歩かなければならないのか?
男と認められるまで
どれだけの海を渡らなければならないのか?
白い鳩が砂で眠る前に
Yes、どれだけ撃たなければいけないのか?
大砲が永久に禁止される前に、


文章全体の意訳:
この歌詞は、平和と人間性についての深い問いを投げかけています。男が真の「男性」と認められるため、平和の象徴である白い鳩が安らぎを見つけるため、そして暴力が終わり平和が確立されるために、我々はどれだけの試練や困難に直面しなければならないのか、と問いかけています。これは、社会的な変化や平和への願いが簡単には達成されないが、それに向けての努力が重要であることを示唆しています。


The answer, my friend, is blowin' in the wind
The answer is blowin' in the wind

単語:

answer: 答え
friend: 友人
blowin': blowingの短縮形、吹いている
wind: 風

文法:

現在進行形の短縮形:この歌詞では、「blowin'」という現在進行形の動詞が短縮形で使われており、話し言葉や詩的な表現として用いられています。
省略形:「The answer, my friend,」では、親しみを込めた呼びかけとして「my friend」が使用されています。これは、直接的な対話やメッセージを伝える際の文体です。

和訳:
答えは、友よ、風に吹かれて
答えは風に吹かれて


文章全体の意訳:
このフレーズは、人類が直面する多くの問題や疑問に対する答えは、目に見えないが、私たちの周りの自然や日常生活の中に存在し、風に乗って私たちのもとへとやってくるというメタフォリカルな表現です。つまり、答えはすでに存在しており、我々がその真実を受け入れ、理解する準備ができているかどうかにかかっているということを示しています。この歌詞は、深く考え、周りを見渡し、より大きな理解に至るよう聴衆に促しています。


Yes, and how many years must a mountain exist
Before it is washed to the sea?
And how many years can some people exist
Before they're allowed to be free?
Yes, and how many times can a man turn his head
And pretend that he just doesn't see?


単語:

years: 年
mountain: 山
exist: 存在する
washed: 洗い流される
sea: 海
people: 人々
allowed: 許される
free: 自由
times: 回数
turn: 回す
head: 頭
pretend: ふりをする
see: 見る

文法:

「must a mountain exist」や「can some people exist」では、モーダル動詞「must」と「can」が使用され、必要性や可能性を表しています。
「Before it is washed to the sea?」や「Before they're allowed to be free?」では、未来のある時点で起こる出来事に対する条件を示すために「before」が使われています。
「can a man turn his head」という形で疑問形が用いられており、反復行動の頻度を問うています。

和訳:
Yes、山にはどれだけの時間が必要だろうか
海へと洗い流されるまでに
そして、人々にはどれだけの時間が必要だろうか
自由であることを許されるまでに
Yes、そして、何回振り向くことができるだろうか
ただ見ていないふりをすることだけさ


文章全体の意訳:
この歌詞は、自然や社会が直面する永遠とも思える問題や、人権についての深い問いかけをしています。山が存在し続け、最終的に海に洗い流されるまでの時間、人々が自由を得るまでに必要な年月、そして社会の不正や不平等に対して目を閉じ続けることのできる回数を問うことで、我々の倫理的、道徳的な責任について考えさせられます。これらのリトリカルな質問は、変化や進歩への必要性と、それを実現するための個人や社会全体の役割を強調しています。


The answer, my friend, is blowin' in the wind
The answer is blowin' in the wind
同上

Yes, and how many times must a man look up
Before he can see the sky?
And how many ears must one man have
Before he can hear people cry?
Yes, and how many deaths will it take 'til he knows
That too many people have died?

単語:

times: 回数
look up: 上を向く、見上げる
sky: 空
ears: 耳(の複数形)
hear: 聞く
cry: 泣く、叫ぶ
deaths: 死(の複数形)
too many: あまりにも多く

文法:

疑問文の形式: 「Yes, and how many...?」は反復的な疑問を提示し、リスナーに深く考えさせるために使用されます。
条件文の使用: 「Before he can...?」は、ある行動や認識が起こる前に満たされなければならない条件を示しています。

和訳:
Yes、そして人は何度見上げなければならないのだろうか
空を見ることができるようになるために
そしてどれだけの耳が必要なのだろうか
人々の叫びを聞くことができるようになるまでに
Yes、そしてどれだけの死があれば彼は分かるのだろうか
あまりにも多くの人が亡くなっているということを


文章全体の意訳:
この詩的な一節は、人間が周囲の世界に対して持つべき認識と感受性について問いかけています。私たちはどれだけの時間と経験を必要とするのか、そして真実や他者の苦痛に対する我々の無関心が、社会的な変化や進歩を妨げているのではないかと示唆しています。このメッセージは、個々人がより良い世界を実現するために自らの認識を高め、行動を起こすべきであるという強い呼びかけを含んでいます。


The answer, my friend, is blowin' in the wind
The answer is blowin' in the wind
同上