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「Over The Rainbow」は、1939年の映画『オズの魔法使い』でジュディ・ガーランドが歌った名曲です。アカデミー賞を受賞し、彼女の代表曲となりました。
文法の解説
Way up high
There's a land that I heard of once in a lullaby
Somewhere over the rainbow
Skies are blue
And the dreams that you dare to dream
Really do come true
和訳:
虹の向こう側に、
遥か高いところに
子守唄で一度聞いたことのある国があります
虹の向こう側に、
空は青く、
あなたが夢見ることを恐れない夢は
本当に叶うのです
単語:
"Somewhere": どこかで、どこかに。
"Rainbow": 虹。
"Lullaby": 子守唄。
"Dare": 思い切ってする、あえてする。
イディオム:
"Over the rainbow": 現実を超えた、理想的な、または幸せな場所を指す表現。
Someday I'll wish upon a star
And wake up where the clouds are far behind meWhere troubles melt like lemon drops
Away above the chimney tops
That's where you'll find me
和訳:
いつか星に願いをかけ、
雲が遥か後ろに消え去る場所で目覚める
悩みがレモンドロップのように溶け去るところ、
煙突の先にある遥か上で
そこが私がいる場所です。
単語:
"Someday": いつか、将来。
"Wish upon a star": 星に願いをかける、夢を信じる。
"Lemon drops": レモンのドロップ、甘酸っぱいキャンディー。
イディオム:
"Wish upon a star": 夢や願いが叶うことを期待する、希望を象徴する表現。
"Melt like lemon drops": 悩みや問題が簡単に消え去る様子を表します。
Somewhere, over the rainbow
Bluebirds fly
Birds fly over the rainbow
Why, then, oh, why can't I?
和訳:
どこか、虹の向こうに
青い鳥が飛ぶ
鳥たちは虹を越えて飛ぶ
なぜ、私にはできないのだろう?
単語:
"Rainbow": 虹、希望や夢の象徴。
"Bluebirds": 青い鳥、幸福の象徴。
"Fly": 飛ぶ、自由や無限の可能性を象徴。
イディオム:
"Over the rainbow": 現実を超えた理想の場所や状態を指し、夢や希望に満ちた未来を象徴します。
"Bluebirds fly": 幸福や美しい事が自由に達成できることを象徴。
If happy little bluebirds fly
Beyond the rainbow
Why, oh, why can't I?
和訳:
もし幸せな小さな青い鳥が
虹の向こうに飛べるなら
なぜ、ああ、なぜ私にはできないの?
単語:
"happy": 幸せな、心からの喜びを感じる状態。
"little bluebirds": 小さな青い鳥、幸福の象徴。
"fly": 飛ぶ、自由や希望に向かって進む行為。
"beyond": ~の向こうに、ここでは達成困難と思われる場所や状態を指す。
"rainbow": 虹、夢や希望の象徴。
イディオム:
"Beyond the rainbow": 現実を超えた、到達困難と思われる理想的な状態や場所を指します。夢や希望が叶う場所の比喩。
曲の解説
「Over The Rainbow」は、1939年の映画『オズの魔法使』のために書かれた曲で、ジュディ・ガーランドが演じるドロシーがカンザスの農場の退屈な生活から脱出したいと願うシーンで初めて登場します。この曲は、ハロルド・アーレンが音楽を、Yip Harburgが歌詞を担当しました。二人は以前にも「It's Only A Paper Moon」、「Brother, Can You Spare A Dime」、「Lydia The Tattooed Lady」といったヒット曲を生み出していたため、この曲の制作を依頼されました。アーレンはハリウッドの元々のシュワブのドラッグストアの前で車に座っているときにメロディを思いつきましたが、Harburgは最初はその曲を遅すぎると嫌っていました。しかし、アーレンがIra Gershwinに相談した後、テンポを速め、Harburgは歌詞を思いつきました。
「Over The Rainbow」は、アメリカが大恐慌から抜け出そうとしていた1930年代初頭に、フランクリン・ルーズベルト大統領の「ニューディール」政策に対する希望を表現しています。MGMの幹部は映画が長すぎると考え、この曲をカットしようとしましたが、映画のアクションが早すぎると感じたためです。しかし、この曲は1939年に最優秀オリジナルソング賞を受賞しました。ガーランドは受賞時にこの曲を歌うよう促されましたが、興奮のあまり歌いきるのが困難でした。映画は6つのオスカーにノミネートされましたが、同年に『風と共に去りぬ』が最優秀作品賞を受賞したため、『オズの魔法使』は最優秀ソング賞と最優秀スコア賞のみを受賞しました。
「Over The Rainbow」は、主人公がミュージカルの序盤で自分の願望や動機を確立するために歌う典型的な「I Want」ソングです。この曲を通じて、ドロシーが冒険を求め、カンザスの外の世界がどのようなものかを知りたがっていることがわかります。ディズニー映画にはこれらの曲がたくさんありますが、「I Just Can't Wait To Be King」(『ライオン・キング』)が良い例です。
ジュディ・ガーランドがドロシー・ゲイルとして「Over The Rainbow」を歌ったとき、彼女の代表曲となるべきこのナンバーを歌わずに済むところでした。MGMの幹部は、映画を進行させるために「Over The Rainbow」を削除しました。
この曲の背後には、希望というテーマがありますが、それは暗い時代の背景を反映しています。1939年に公開された『オズの魔法使』は、大恐慌の時代の産物でした。MGMを含む主要なハリウッドスタジオは、ビジネスが繁盛していましたが、アメリカ人は信じられないほどの財政的困難を経験し、生活の現実からの逃避を望んでいました。『オズの魔法使』のようなカラフルな映画には、裏ではかなりの暗さがありました。シャーリー・テンプルのようなスターは、ハリウッドのスターダムのプレッシャーに苦しんでいるにもかかわらず、大恐慌中に何百万人もの人々に喜びと幸せをもたらしました。
「Over The Rainbow」は、ガーランドがドロシー・ゲイルとして感情的に歌うことで、より良い時代への願望を強調しています。彼女は、「雲が遥か後ろにある」ところ、「悩みがレモンドロップのように溶ける」ところに行きたいと歌います。彼女は、「幸せな小さな青い鳥が飛ぶなら」、「なぜ、私も飛べないの?」と問います。その時代を反映して、「Over The Rainbow」は幸福と平和を夢見る語り手を示しています。